将来の「リスク」と
「出自を知る権利」について。
JEB(Japan Egg Bank)では、ドナーを希望されるみなさまの善意を心から大切に考えています。それと同時に、生まれてくる子どもの権利や、将来みなさまに生じうる社会的・法的な変化について、事前にお伝えすることも、私たちの果たすべき重要な責任であると考えています。
私たちは、提供してくださるドナーのみなさまの立場やプライバシーを守るために全力を尽くすことを約束します。しかし、未来の法律の改正や社会全体のルールの変化を、医療機関だけで完全に防ぎ切ることはできません。
だからこそ、あらかじめ知っておいていただきたい大切なキーワードが、「出自を知る権利(しゅつじをしるけんり)」です。
1.「出自を知る権利」とは?
これは、大人の事情や社会的混乱、あるいは医療の手続きなどによって、自分の生まれた背景が分からなくなってしまった子どもたちが、成長したあとに「自分は誰から生まれ、どのようなルーツ(根っこ)を持っているのかを知る」ための権利のことです。
世界的には、一人の人間が自分に自信を持って生きていくための「自己のアイデンティティ(存在証明)に関わる基本的人権」として広く認められています。
2. ドナー募集において、
なぜこの話が必要なのか
この権利は元々、医療とは別の歴史(戦争難民や国際養子など)から生まれ、発展してきたものです。そして1989年、国連において「自分のルーツを守る権利」を明記した「子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)」が世界中のみんなで守るルールとして採択されました。現在、世界的にこの権利を尊重する動きが大きく広がっており、日本政府も1994年にこの条約を批准(正式に国と国との約束として同意)しています。
つまりドナー登録をされるということは、日本が批准した国際条約の理念に基づき、将来、あなた自身の提供によって生まれた子どもが18歳になったとき、「自分のルーツ(ドナーの情報)を知りたい」と請求する対象になる可能性があります。
現在の日本の法案では、ドナー本人の同意がない限り「氏名」や「連絡先」といった個人を直接特定する情報は開示されません(身長や血液型、年齢などの情報が開示対象となります)。
しかし、だからといって「ずっと完全な匿名でいられる」とは言い切れません。日本がこの国際条約を批准している以上、世界的な人権意識の高まりや、将来のさらなる法改正によっては、海外のようにルーツへのアクセス基準が変化していく可能性(リスク)もあります。
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